林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

十字軍の真相は?(検索回答) 

私の「政治と宗教のしくみがわかる本」(林雄介、マガジンランド)で解説した話ですが、十字軍が出来た時、ローマ教皇は力を持っていなかったんです。皇帝達が対立教皇を擁立して、ローマ教皇が2、3人同時にいたり、ローマ教皇という権威、カトリックという権威が潰れかけていた。これが十字軍時代のカトリックなんです。

エルサレムは寒村で、たまにキリスト教徒が聖地巡礼にいくぐらいの寂れた場所です。イスラム教も放置していたんですね。しかし、治安が悪かったので、徒党を組んでエルサレムに巡礼する人達が出てきた。その頃、イスラム教ビザンツ帝国と戦争をはじめました。で、その援軍が十字軍なんですが、ビザンツ帝国カトリックと対立しているギリシア正教の国だから、だったらエルサレムを取り返した方がいいんじゃないのか?というおかしな流れになって、エルサレムに攻撃を仕掛けたんです。で、エルサレムイスラム教の聖地じゃないのか?という話にイスラム教側でもなって、宗教戦争になっちゃったんですよ。

はやし。