林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

武士の給料。o(^-^)o

いつもありがとうございます。林雄介です。(*^_^*)

酷暑です。皆様、お元気ですか?。

また、土砂災害等にあわれた方に心よりお見舞い申し上げます。その救援、復興作業を行っている読者の皆様、お疲れ様です。

そういえば、旗本の平均給与は2000万、3000万というニュースをみましたが、部下の人件費と諸経費込みですからね。

鬼平犯科帳で、家臣50名に暮れの手当てを支払いたいけれど、お金がなくて自分の刀を質に入れる話が出てきます。

武士は、給与生活者ではなく自営業ですから、年収2000万なら高給ですから売上2000万なんですよ。

プレジデントに武士の平均給与は500万とありましたが、これも経費込み500万なんですね。

武士は石高、役職で雇用しなければいけない人数規定があります。

大河ドラマ西郷隆盛でも、貧乏な西郷家に下男がいます。武士は戦闘要員なので、戦時に部下をつれて出兵する義務があるため、下男とかを雇用する義務があります。

ですから、年収500万ならかなり位が高いので、2、3人の中間を雇用する義務があります。女中も雇用します。500万で家族5、6人と雇用人2、3人の給与を支払ったら、生活苦ですよ。

藩主も給与は数千万ですが、家臣への褒美や小姓の人件費、殿様の給料から支払われますからね。

数千万の年収の殿様でも、一汁一菜、下手したら家臣より食生活が貧しいんですよ。家臣の人件費や褒美は削れないので、殿様の食費を削るしかないんですよ。

島津や前田家みたいな大大名は、「幕府から公共事業をやらされます。もちろん、幕府は一円も支払わないので、島津や前田家の持ち出しで公共事業をやらされます。」

命令する側、例えば老中の田沼さんが賄賂を貰っていたと批判されていますが(噂を流したのは松平定信)、賄賂の使途は大奥への付け届けと印旛沼の開拓事業や学者や蝦夷地探検の資金援助です。

役職にかかる経費と人件費込みの給料なので、ほぼ赤字です。吉良家、朝廷の接待費込みで5000石です。公家への賄賂、吉良家の持ち出しですからね。

徳川綱吉が、生類憐れみの令を出した母親に朝廷から位を貰おうとします。で、天皇家には献金してるんですが、決めるのは摂関家や大臣、大納言の公家なんですよ。公家への賄賂というか手土産代、吉良上野の持ち出しですからね。

5000石で負担できないので、息子を養子にやった上杉家にたかっています。

武士は経費込みの給料だと知らない人が多いんですよね。で、固定費が大半なので、自由に使えるお金ってほとんどないんですよ。

賄賂も大名なら御三家や老中、大奥への付け届けが必要ですし、御三家、老中は大奥に付け届けしないと、将軍人事で嫌がらせされますからね。

大奥は着物代。徳川家康が理財を禁止したから、経済学的な発想で国を動かせなくなったんですよ。戦国時代は理財中心ですから、無駄な経費をおさえて、メリハリある財政運用してますよ。

織田信長も商業地域を支配して、そこを資金源にして政治をやっていたわけです。豊臣秀吉はさらに金山、銀山の直営と貿易事業の独占で収益を得ていたのです。

江戸幕府は、武士にお金をもたせないようにしたのです。儒教の影響と言われていますが、論語孔子が、弟子は私に授業料を払えとわざわざ書いてますけどね。

孔子は金儲け第一主義は諌めてますが、弟子は孔子に授業料は絶対に支払え、それが弟子の礼儀だからと貧しくても相場の授業料は持ってこいと、論語にわざわざ書いてますよ。

トマス福音のイエスの「神のものは神に、皇帝のものは皇帝に、そして私、イエスのものはイエスに返すように」という教えと論語の「私はどんな人にも、世間の相場の授業料を持ってきた弟子には、物事を教えないということはなかった」という二節は、大好きですね。

林雄介with,you。