林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

全部雇用(検索回答)

全部雇用。いま、ツイッターが右よりなんで、ブログを左にして、バランスを取ってるんですけどね。ツイッターが左寄りになると、ブログが「極右ブログ」になると。

全体で、真ん中。1つだけ読むと、わからないですよ。全部読むと、もっとわからなくなるでしょうけどね。

全部雇用は、「卒論」と「修士論文」の核の1つなんですが、日本の失業率は戦後低かった。しかし、これは近代経済学の考える完全雇用とは違う概念で、「農村や自営業などが過剰雇用して、低賃金労働」を行わせ、そのことで、失業率をさげている。これは、「二重構造論」にもつながるんですけどね、東大の石川経夫先生の。

ところが、1960年代、工業化と高度経済成長で、農村部の労働力が都市部(工業)に吸収されたことで、全部雇用議論はなくなるんです。

全部雇用は、議論にはならない。非正規やフリーターの話は、「ドーリンジャー。ピオリー」の内部労働市場、外部労働市場な話に変わるんです。2000年前後に初版の「経済関係の一般本で、内部労働市場の話が出てくるものは、99%、私がゴーストした本」。当時は一般的ではなかったから。

米国も、年功序列である。実は、一番下から昇進していって、出世する。これが内部労働市場。外部労働市場は、昇進がない。これは、非正規。主婦、学生、マイノリティー(当時は黒人やメキシコ人)を低賃金の外部労働者で排除して、正社員は実は年功序列で昇進するしくみなんだよ。というのが、内部労働市場研究です。

FBIも正規の職員は、年功序列ですよ。国連年功序列
上のポストは政治任用だけど、大多数の職員は勤続年数。
もう1つは、米国は「アローン収容所」?だったかな、京大の学徒動員の人の本、「社長は、大佐、従業員は兵隊」という形で徴兵される。ゆえに、大卒の英語がしゃべれる兵隊は、「スパイ」であると見なされ大変、苦労した。と書いたあった。

ですから、職の横滑りはある。軍隊で大佐になった人が、FBIの管理職として採用されるみたいな。しかし、部長で採用されたら、また、そこから昇進しなきゃいけませんしね。

ホワイトカラー・上層部はホワイトカラー・上層部として転職する。これは、そうなんだけど、じゃあ、どうやってホワイトカラー上層部になるかというと、基本は有名大学の修士から幹部候補になって、マネージャーになって、そこから、上に行くと。少数事例で、高卒からたたき上げもいますよ。しかし、統計値では絶対的な少数です。

学歴別賃金格差が、日本以外の先進国は明確。日本は、小泉改革までは、先進国で唯一、学歴別賃金格差がない国だったんですよ。
それで、2000年代に「この通りにすれば受験に受かる」を出したけれど、村上龍の無責任極まりない「13歳のハローワーク」を信じる馬鹿が、今、落ちこぼれていますわな。村上さんは、美大ですよ。いつから、彼は労働経済学者になったのか?

小泉改革は、欧米型にシフトさせたから、学歴別賃金格差が拡大傾向にある。だから、修士号だけ取ったんです。博士号はいらない。先進国の実務のエリートで博士号を持っている人間はいない。修士号は、みんな持ってるから、学士だと高卒と同じになるんですよ。次の10年でそうなりますよ。

日本は、例外的に、「学歴別賃金格差」を拡大しない国だった。だから、大卒でも高卒でも、そんなに賃金や最終ポスト格差がないんですよ。昔はね。ところが、欧米型にシフトさせたから、学士の学位が高卒レベルになって、最終学歴を修士にしようとしているでしょう?ロースクールや、教員の専門職大学院を作って。
東大がロースクールは反対したんですよ。私学に社会人を入れるために、専門職大学院を作ったんです。

はやし。