林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

偽学位 一覧(検索回答)

偽学位は、「存在しない。」

なぜなら、学位授与のしくみが違うし、学問の自由があるから、偽学位はないんですよ。学位偽装はあるだろうけど・・・。

今、米国も消費者犯罪と州法改正で登記だけで大学を作れないようにしていますが、「連邦法で大学の設立制限を行うと憲法違反になる。」

米国は、宗教対立を回避するために学問の自由、大学設置の自由が許可されています。これはね、英国が英国国教会を国教にしたから、カトリックピューリタンは、英国の大学教授に就任できなかったんですよ(今はできる。)

そういう背景があって、米国の学問の自由があるから、「ダーウィンの進化論」を教えると犯罪になる自治体とかがある。
「どの学問が、正義で、どの学問が悪」とか「大学の設置」を国が許認可すると、英国みたいな宗教弾圧の手段として悪用されるから、「勝手に大学を作っていいけど、国は中身の保障はしないからね」というのが米国なんですね。

医学博士や法学博士は、州が免許を出すから州の法律で規制してあるんです。逆に、医師免許や弁護士登録をしないなら、医学博士や法学博士を出せますよ、ほとんどの州で規制をかけているけど、規制がゆるい州もあるから。あとは、「法哲学博士」は自由に出せる。医学博士はアウトですが、「医学経営博士」みたいなのは規制をかけていない州も多い。で、もともと米国ブランドで博士号を売っていたんだけど、米国に「ペーパー大学」が多いというのがばれたから、米国ブランドにこだわる必要がないから、開発途上国の国立大学に金を払って、「国立大学から学位」を出しているディプロマ・ミルもありますよ。インドとかフィリピン、あとアフリカにかなりある。インド国立ケララ大学経済学博士とか、フィリピンのミンダナオ州立大学客員経済学教授とかを私が入手したら、「ネタ」なのか「本気」なのか?わからなくなりますからね。で、日本でも海外でも大学のオーナー、私学はほとんど世襲経営だから、大学の創立者の子孫でまだ経営権を持ってる友人が日本の大学でも海外の大学でもいますから、「無給とか、月数万のバイト感覚の客員教授」なら、「くれますよ」。

早稲田でも客員教授はうじゃうじゃいる。名誉博士は寄付。客員教授は、友達枠があるから、別にある程度、社会実績があれば渡せるし。

マック赤坂とかドクター中松も色物ですけどね。マック赤坂は京大卒ノレアメタル商社の経営者、ドクター中松も東大卒の実業家だから、「真ん中より下の大学、極端な話、マーチでも色物いますからね。国立大も独法化してから、色物枠の客員教授が増加しているし・・・。経営学部の客員教授ならマック赤坂でもドクター中松でもなれますよ。」。

白い巨塔」で、財前教授が学術会議の医者枠で立候補した時に、「票の見返りに、医師会のボスに非常勤講師を大量発行して、講義をやらせなきゃいいだろ」という集票活動をしてましたからね。

偽学位はない。本物の学位がそもそも入手可能だから。
大学への貢献で客員教授名誉博士なんか簡単に渡せるし、名誉博士は価値がないことに、多くの国民が気づいてしまったから、「本物の学位を本物の大学」が売ってますよ。物価差。インドの物価は、日本の30分の1だから100万大学に寄付したら、3億でしょう?
で、小さな小屋みたいな州立大学や国立大学も開発途上国にありますよ。100万くれたら、博士号でも客員教授でも出しますよ。10万でも出すね。
日本の大学、文部科学省が認可した大学でも定員割れで、中国人留学生をよんで、実はほとんど学校にきてなくて、働いてるとか、そういう大学もある。有名大学以外は経営が厳しいし、国立でも独立採算にしてから経営が厳しい。日本ですら、そのレベルですよ。

世界に190以上の国がある。先進国は20前後。開発途上国のほうが多いんですよ。開発途上国で、経営が厳しい州立大や国立大なら、論文審査で学位を売りますよ。

偽学位じゃなくてね、「順番を見る。」
まず、高卒で博士号を持っていたらニセモノ。(権威がない)
大卒で修士号がないのに、博士号を持っていたらニセモノ。
大学4年、修士2年、博士3年以上。この目安があるから。
大学が有名大学でも、修士課程なしの博士号なら、ニセモノ。(結構、多い)。
逆に、私は早稲田大学の正規の研究者養成課程で、修士号を取っています。(早稲田の博士号はないけど)。で、海外の大学なら、早稲田や東大、京大の修士号を持っていたら、1年前後で博士号をくれますよ。
早慶卒、東大卒でも、修士号をなしで、「博士号」を持っていたらニセモノ。

博士号を見ない。大学と大学院の学歴があるか?を見るんです。
国立大卒、早慶卒のセミナー屋、セラピスト、コンサルタントで、大学院に行っていないのに、海外の「博士号」を持っていたら金で買ったニセモノ。

最初に、日本でディプロマミルが社会問題になったのは、「博士課程を満期修了」して、博士号を持っていない(日本は博士号を出す文化がない)人たちが、政府が教員には博士号が必要と言い出して、助教授や教授が博士号を買ったんです。
博士号は教員採用基準じゃないんですよ・・・。簡単に博士号を出す大学院は教員採用には使えない。早稲田大学の公共政策大学院は、「公共政策博士」を出しますけどね、教員にはなれないですよ。教員採用ルートが違うから。

実務か論文実績で教員なんか採用するから、博士号の有無は関係ないんだけど、政府が公募制にしたり、博士号をとれといいだしてから、教授が博士号を持っていない大学で、博士号を買い出したんです。
「末は博士か大臣か?」と明治時代にいっていた。「末は教授か大臣か?」じゃないんですよ。「末は帝大教授か大臣か?」じゃないでしょう。
日本は、博士=大臣>教授なんです。
海外は、大臣、教授>>>博士なんです。
医者、名刺にでっかく「医学博士」と書くでしょう?
米国ではありえない。医師資格をドクターという。医学博士が医師免許の申請に必要だから、日本の医学部で6年修了して医師免許を取るでしょう?欧米の場合は、それが「医学博士」なんですよ。欧米も6年だから。日本の医師免許を持っている人間と欧米の医学博士で医師免許を持っている人は同水準ですよ。

で、この博士という馬鹿な誤訳が韓国や中国に広まったせいで、中国や韓国は博士号をありがたがる。
日本から広まった博士号信仰というカルトですよ。

欧米、特に欧州では、学士の優秀な人間が「教員」になる伝統があったから、博士号そのものを人文系は出さない。博士号は、医師免許なんですよ。アダム・スミスとかマルティン・ルターは、神学博士です。しかし、あれはね、日本の学士と同水準なんです。大学で一般教養をおえて専門課程を終えた人間に、「神学博士」や「法学博士」を渡していた。
今の感覚なら、「神学学士」。で、だから、20歳とか18歳で博士号を取ってるんですよ。今の学士が、あの時代の博士だから。

日本の博士は、「文部科学大臣」のことですよ。文章博士とか算学博士。
昔の博士は、東大総長や研究所長のことなんだけど、明治時代に誤訳した馬鹿がいるんですよ。大学そのものの入学者が全国で数千人の時代から、問題にならなかった。それが、他国の基準と比べると、誤訳なんだけど、教授や研究員より格下の、多くの欧州の国々では教員採用基準にすらしていない、米国の博士を真似ようとしている。

だから、偽学位の話になるんです。
格差大国の米国ですからね、下手したら、日本の学士と米国の博士同じ扱いですよ。欧州は、基準が違う。米国信仰と博士号の誤訳からできたカルトですよ・・・。モンドセレクションをありがたがるのと同じくらい馬鹿げたことです。

ユネスコ世界遺産も、日本の金で事務局を運営しているから、世界遺産から日本を締め出したら、ユネスコ運営できないってわかってるのか?と思うんですけどね。

はやし。