林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

日本人が知らない陰しつ録と袁了凡。

いつもありがとうございます。林雄介です。(*^_^*)

袁了凡というのは、陰しつ録の著者として、中国でも、日本でも著名な思想家です。

仏教、儒教道教陽明学を学び、良いことをすれば命運が改善されるから、徳積みしなさいよという陰しつ録を書き、善書、道徳書と呼ばれる運命改善本の代表的著者として、江戸時代の日本でも袁了凡の陰しつ録はロングセラーだったのです。

しかし、袁了凡の本業というのは、日本人はあまり知りません。袁了凡はペンネームです。

袁黄という高級官僚と袁了凡は同一人物です。当然、科挙に合格していますから高級官僚です。

袁黄という人物は、豊臣秀吉の朝鮮征伐の明、中国側の参謀長、軍師であり将軍として参戦した人物です。

中国の王陽明も本業は、反乱軍の鎮圧部隊の司令長官です。特に、老荘思想道教系の思想家に軍師が多いので、孫子老荘のパクりといわれますが、そもそも太公望諸葛孔明孫子道教系の思想家でもあるんですよ。要するに仙人です。

なので、陽明学道教をやっていた袁黄こと袁了凡も軍師として、加藤清正を撃退しているのです。

陰しつ録の著者と、加藤清正を撃退した明の将軍が同一人物というのを知らない日本人が多いんですよ。

陽明学も実務家であった王陽明の思想です。そして王陽明は軍人として反乱鎮圧しまくっているので、陽明学を学んだ大塩平八郎吉田松陰が武力革命を企てたりしたのです。また、王陽明自身が、やりたくないけど高級官僚として、反乱鎮圧に一生を捧げたので、陽明学系統の実務家は軍学を極めている人が多いのです。吉田松陰自身も、本業は山鹿流、長沼流という江戸時代の二大軍学の兵法学者ですからね。思想家に授業料なんか払わないから、兵法学者が本業ですよ。兵法学者が思想も教えていたら、後世思想家として有名になっただけで、長州藩では兵法学者として雇用されていたんですよ。孔子も、実務系なら何でもできたから大臣とかに雇用されるんだけど、孔子の思想はいらないと言われたから流浪の旅をしていただけで、実務家としては大臣に雇用されるレベルの能力はあった人ですからね。そういう歴史があるから、まず実務家としての能力を磨くようにいつも書いているのです。

西郷隆盛吉田松陰から続く長州の軍閥のルーツは王陽明なんですね。

陰しつ録も、学者の綺麗事ではなく加藤清正を撃退した軍師が書いた運命改善の本なんですよ。

林雄介with,you。