林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

ユダヤ商法という幻想。(*^_^*)

いつもありがとうございます。林雄介です。(*^_^*)

ユダヤ商法という幻想。

日本人は、ブランドやレッテルが大好きな民族ですから、金持ちのイメージが強いユダヤ商法という幻想が売れると思うのです。

ユダヤ人の商人やら、ユダヤの金持ちに成功法を教えてもらって、「サクセス」したという本がかなりあります。

素朴な疑問なんですが、ユダヤ人という民族は存在しません。ヤーベという神と契約した宗教を信じる集団がユダヤ人です。ですから、ユダヤ教徒というべきです。

でだ、ユダヤ教徒はタルムードを学ぶんだけど、タルムードが想定するユダヤ社会は原始共産主義社会に似ています。民族宗教だから、そうなると思うんですよ。

1、タルムードそのものは、英訳もされており、タルムードの中核であるミシュナーは日本語版もあり、ユダヤの秘技というのは隠していないのです。

ユダヤ陰謀論の信者のせいだと思いますが、タルムードそのものはヘブライ語以外に翻訳してあります(そもそもヘブライ語が読めないユダヤ人がいるから)。

正典がヘブライ語ですが、コーランの正典がアラビア語であるように、翻訳のプロセスで、原典と意味が変わらないようにヘブライ語を正典にしてあるだけですよ。この辺は、サンスクリット語教典と漢訳教典とパーリ語教典で、仏教の話が違う。要するに、一度、日本語版をGoogleで英訳してから、日本語に戻すと意味が変わりますよね?翻訳で意味が変わった時に、基準にするためにヘブライ語を正典にしているのです。

それで、ユダヤ人は世界中で迫害されていましたから、タルムードを独習する慣習があります。というか、ユダヤ人は国がないから、口伝にすると民族迫害を受けた時に、ユダヤ教の教えが途絶える危険性があるので、書籍化したのです。

これは、釈迦の死後、口伝の教えが混乱し、仏典を作ったこと。キリスト教ローマ帝国の迫害で、根絶しかけた時に、新約聖書が書籍化されたこと。ムハンマドの死後、イスラム教の内部分裂で長老がどんどん暗殺され、また宗教戦争で死者が増加し文書化しないとムハンマドの教えが残らないと判断し、コーランが作られたことと事情はほぼ同じです。

なので、ユダヤ教徒は、タルムード学習が義務化されているのです。これは、ラビ等の聖職者を養成しても、民族単位で迫害されているので、定住できない以上、ユダヤ教徒全員にタルムードを覚えさせる必要があったからです。

そうすると、ユダヤ商法なる秘技や、引き寄せのユダヤの秘技等、存在するはずがないのです。

では、ユダヤ商法とはなんなのか?

ユダヤの格言集のようなものや、ユダヤ人のジョークを宗教知識がない非ユダヤ人が秘技かなんかと錯覚したのです。

ユダヤジョークは、ブラックですから、「人を騙して金儲け」みたいな話もありますよ。そういうユダヤジョークをまに受けたのが、シェークスピアの高利貸しのシャイロックです。

シェークスピア時代、英国はユダヤ人の居住禁止政策があったので、シェークスピアユダヤ人そのものと接触する機会はなかったでしょうね。

タルムードや旧約聖書を読めば、わかることですが、ヤーベは「自助自立」は推奨していますが、金儲けは推奨も、否定もしていません。タルムード全体の解釈からは、「ユダヤ人は同胞を助ける義務があるため、貧乏になると同胞が、貧乏人を養う必要が出てくるので、勤労・勤勉に働いて、貧しくなるな」と注意はしてます。

清貧の推奨がないだけ。金儲け否定はしていませんが、「拝金主義」の宗教ではないので、カルビン派みたいに勤労は神への奉仕みたいな感じです。

ユダヤ人は、金持ちが成功者という価値観はないですよ。貧乏人になると同胞が面倒みなきゃいけないから、貧乏するなというぐらいです。

拝金主義ではなく、「ユダヤ人は神の教えであるトーラを学ぶ義務があります。で、生業がうまくいかないとトーラを学べないので、ビジネスを成功させて、心置きなく神の教えを学びなさい」ということです。

つまり、「ヤーベの教えを学ぶ手段として、裕福であること」を重視するのです。逆に、大金持ちになっても、「ヤーベの教えを学んでいないと、ユダヤ人的には、神への反逆者」となるのです。

ですから、ユダヤ人的に、宗教をやるための手段である金儲けが、目的になれば、宗教的には、神への反逆者になるので、非ユダヤ人に、「ユダヤ商法」を教える理由がないのです。

林雄介with,you。