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作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

28、消費税が上がるとどうなるの?(2012年衆議院選挙・解説:林雄介)

 

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こんな感じで解説しています!。

28、消費税が上がるとどうなるの?(2012年衆議院選挙・解説:林雄介)

 今回の衆議院選挙では、消費税増税、消費税増税反対の議論が各候補者、各政党で行われています。

 では、消費税増税をするどうなるのでしょうか?まず、商品の価格が上がります。例えば、1千円の本の消費税は50円です。これが、8%になれば80円、10%になれば100円になります。10万円の買い物をすれば1万円(10%の場合)を消費税として国に支払う必要があります。

 日本は、デフレといって物価が下がる現象が起こっています。そこで、安い服や商品を売るお店が増えました。100円ショップやディスカウント・ショップ、アウトレットモール等です。そこで、もし消費税を増税すると、例えば、本の印税は8%~10%ですが、増税分を出版社と著者で2.5%ずつさげましょうという事になれば、印税が5~7%になる可能性があります。同じように、大企業も商品の値上げを防ぐためにコストを下げようとします。その結果、人件費の安い海外での生産(国内社員のリストラ)、下請け企業に生産価格を下げるようにプレッシャーをかける(法違反ですけれど、やるでしょう)、ことが予想されます。

 では、なぜ消費税をあげる必要があるのでしょうか?それは、将来的に日本の財政が破綻する可能性があるからです。公務員の人件費や国会議員の人件費を0円にしても、無駄です。なぜなら、日本の財政で支払いが増加しているのは、社会福祉費用だからです。社会福祉費用というのは生活保護、医療費、年金です。高齢化社会で必ず増加します。また、過去に発行した国債の利子と借金の総額が1千兆円あり、それも返す必要があります。(もしくは踏み倒す、太平洋戦争の戦時国債は踏み倒しました。そうすると、日本政府の信用力がなくなり、経済が破綻します。)

 では、消費税を増税しないためにはどうしたらいいのでしょうか?これは、いろいろな議論があります。例えば、霞ヶ関埋蔵金と言われるお金があると民主党は主張していましたが、政権を取っても埋蔵金を発掘することは出来ませんでした。現在、国有資産や公務員宿舎等の売却によって、国の収入を増やそうとしています。けれど、借金の金額が大きすぎるのです。日本のGDP(国内総生産は約500兆円)です。そして、国の収入は40兆円、国の支出額は90兆円で半分を国債(借金)で支払っていますから、公務員の削減、年金の一本化、生活保護の現物支給、ジェネリック医薬品の推進等を行って支出を減らすようにしているのです。

 どのような方法がよいかは価値観の問題ですから、「多数決で決めるしかありません」。私は、格差社会に反対していますから、「ノーワーキング・ノーペイ」(生活保護を受給する場合は、何らかの仕事か職業訓練を義務付ける)、年金の税金化(生活保護と年金の受給額に差がないので、最低年金は税金で支払う)、年金というより「働ける限り、働いてもらう」。若者の雇用を増やすために、年功序列賃金を廃止し、雇用者を増やす。外国人労働者の受け入れを禁止する(外国人労働者が悪いのではなく、日本人の雇用がないので一時的に労働者受け入れを禁止して、日本人の雇用を守る)、専門的な話になりますが、非正規雇用が増加すると「格差社会」になることは1980年代にアメリカの経済学者ドーリンジャー、ピオリーが「内部労働市場」という研究でアメリカの格差社会の説明をしていました。ですから、2000年代に規制緩和すれば、「格差社会」になることはわかりきっていたのです。ただし、「格差社会」がいいか悪いかは国民である皆さんが決めることです。

 格差社会になれば、治安は悪くなります。また、敗者復活が難しい社会になります。ですから、貧困や就職難を「自己責任」にしていいのか疑問に思います。

 消費税の増税は、弱者を切り捨てれば、社会福祉費用を減らせますから、増税の必要はありません。あと、質問される前に書くと「生活保護」は外国人に対して支払う必要はありません。人道的見地で支払っているだけです。国民だけが対象です。憲法は、国民の文化的な最低限の生活を保障しているので、国民以外に生活保護を支払う必要はありません。

 

林雄介with,you。

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