林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

林雄介と読書会、「人を動かす」解説2。

本というのは、いろいろな読み方があります。

「人を動かす」の類、ビジネス書の類は、「最初に、目次を読む。目次を、何回も読むと、だいたい、言いたいことがわかる」。

それから、1章ずつ読む。しかし、「人を動かす」は後ろからでも読めるんです。各章が独立しているから。読みたい章から読む。それでもいいわけです。

本は、通読すると時間がかかるから、やめちゃう人がいる。もう1つは、読書会は、毎月のテキストを3分の1しか読めなくてもいいんですよ。

翌月は次の本にいく、そうすると3分の1の内容は頭に入っている。だから、来年も、再来年も読書会はやります。また、「テキストも重要なものは何回でもやります。」

本なんか、自分が書いた本でも覚えられない。ブログやツイッターでも何を書いたか、覚えていない。本というのは、同じ本を何十回も読むものです。書いた著者の境地がある。私の本も書いた時は、最高の境地で書いています。特に、若い時の本はエネルギーがあるから、スランプになったら、私の本を何回も読み返せばいいのです。「人を動かす」や「道は開ける」でも、1,2回しか読まないでしょう?私は、中学生か高校生の時から、毎年、1回ぐらい読む。読書会も、同じ本を論語でも大学でも何回も読む。

何回も読んだら、使えるようになるんです。ですから、必読本の数を減らしたんです。しかし、本当は、大量に読んで、その中で重要な数十冊を繰り返し読むというのが重要なのです。

船井幸雄でも、ドクターコパでもドラッカーでも、100冊読んだら、大事なことは、何回も出てくる。そこだけ覚えればいいんですよ。

アンネの日記の性的描写の検索が多いんだけど、なぜ、すぐに場所がわかるかというと、5冊ぐらい違う本を持っているんです。バージョン別に持っていて、何回も読んでいるから、「大体の場所を知っている」。

で、書いてある通りにやって、失敗することも多い。それで、これは使えないなということがわかる。その繰り返しです。ノウハウって、あまりいらない。ゴーストが書いたビジネス書は使えないですよ。
著者の息吹や境地を貰うために、本を読むから、ゴーストが書いた本を読むくらいなら、講演を聞きにいった方がいい。政財界人が本に書けるようなノウハウをもし、持っているのなら、1万円の会費を払って、講演を聴いたほうがいい。もしくは、テープ。政財界人は生であったほうがいいですよ。本はね、あった時に「ごまをするため」のネタとして読むだけ。どうせ、自分で書いていないから。

鳩山由紀夫さん、例えば、東アジア共同体に反対の人はね、どうやったら、鳩山さんが意見を聞くか?。まず、東アジア共同体財団の会員になってね、鳩山さんの本も全部読んで、講演会も半年に1回は出席して、それで、5年目ぐらいに、「こことここは正しいと思いますけど、ここは間違っていると思うんですけど」といえば、「普通は聞く。」いきなり、文句だけいいに行くから、無視されるんです。

政治家相手にするなら、講演録や著作を全部読んで、それから、友達になって、それから、9割褒めて、1割だめだしする。著作を全部読んで、講演録を全部読んで、「褒めるべきは褒め、間違っているところは、改善策があるんですが」と丁寧に言えば、聞く。講演録も著作も読んだことがない人間に文句を言われて、聞く人間なんかいませんよ。

むかし、民主党を潰す方法を書いたけれど、自民党支持者なんか民主党は怖くない。党員が一番怖いんです。共産党赤旗をとって、サポートしている人間に逃げられるのが怖いんです。
支援者やお客が一番、怖いから、熱心なお客になればいうことを聞く。
で、熱心なお客になれば、「ここは譲歩するだろうけど、ここだけは絶対に譲歩しないだろうというポイントがわかるんですよ。」

TPP、米国の上院が大統領の権限法を可決しました。これは、多国籍企業のロビー活動で賛成に転じたんです。
ありえない仮定として書けばね、「私の本を朝鮮学校の指定教科書にしていて、生徒と父兄全員が必ず林雄介の本を購入する義務」が朝鮮学校にあったら、「自治体に補助金を払わせますよ。」
これは、極端な例えですよ。ありえない。本来は、人類全てが読むべき本なんですが、私が死んだらそうなると思いますけどね。
お客に誰でも、弱いんだと。

朝日新聞でも、「解約されるのは怖いけど、新聞を読まない人がどんなに批判しても痛くないわけ」。朝日新聞は、必ず、論調を変えますよ。団塊世代が死んだら、朝日新聞は潰れるから。

大きなイデオロギーより、現実の生活が大事なんです。そして、それでいい。まず、現実の生活を改善しないと、大きなイデオロギーなんか扱えないから。

はやし。