林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

隠れ念仏とは何か?

隠れ念仏というのは、江戸時代に「南無阿弥陀仏」といって、念仏を唱えて、極楽に行こうとしたカルト。ということになっています。で、江戸幕府から弾圧されました。

これは、教科書的な説明です。実は、「嘘です」。

日蓮宗で、江戸幕府の檀家制度を無視したところがあって、そこは弾圧されているんですよ。

隠れ念仏が、弾圧されたのは、「キリスト教」が弾圧されたのと同じ理由です。キリスト教は、「ローマの秘密結社禁止法」違反で迫害されたんです。ギリシアのピタゴラス教団が滅ぼされた理由も、「秘密結社禁止法」違反なんです。本当は。

江戸幕府は、宗教に宗教活動を禁止するかわりに、「本願寺も建立し」、あるいは、檀家制度で、「葬式だけやっていないさいよ。葬式ビジネスをして、戒名料で生活していいですよ。」要するに、生臭坊主の推奨をやったわけです。

で、大々的な布教をしたら弾圧しますよ。しかし、檀家制度を作ってあげたから、安定収入があるから「妥協しましょうね」。これが、江戸幕府の宗教政策なんです。ですから、宗教は禁止なんです。

いわゆるパワースポット、聖地巡礼的な伊勢参りや熊野、大山、成田、聖地巡礼レベルと、小規模な山伏、虚無僧、これは浪人救済のためなんです。武士を増やせないから、元武士が虚無僧や山伏で食うのはいいですよと。規制をかけすぎると反乱を起こさせるから、個人が食べていく手段として虚無僧を認めたんです。ですから、虚無僧は帯刀(刀を持つことが許可されていたんです。)

隠れ念仏は、葬式仏教だと、成仏できねえじゃん、そもそも宗教活動やってねえし、という人たちが「自発的に念仏を唱えて、極楽に行こう」という宗教運動なんです。で、既存仏教の営業妨害ですから、仏教側の要請で、弾圧したんです。もう1つは、秘密結社禁止、宗教活動禁止で弾圧されたんです。これをちゃんと既存の仏教が教えると「葬式仏教ビジネスをやっていたこと。実は今もその延長であること」がばれるから、「カルト」という説明で逃げているわけです。

はやし。