林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

林雄介と一緒に勉強しませんか?「何を読むべきか?」

アメブロの検索に「林雄介と一緒に勉強しませんか?」が大量にあり、読書会の記事で強く言い過ぎたと反省しました。「林雄介と一緒に勉強しませんか?」→「林雄介と一緒に学びませんか?」等、微妙にタイトルが違います・・・。新しい読者の方々がおられるようなので、きちんと書きます。

3年前に、私の本で紹介した本のどの本を重点的に読んだらいいのか?という声、また、「論語」しか大半の読者が読んでいないことがわかり、課題図書を同時に読みましょうということでスタートいたしました。当初は、実務「自助論」や「道は開ける」のような本を1冊、林雄介の本を1冊(実学)、古典の「論語」や「老子」を1冊の月に3冊でスタートしましたが、量が多すぎるということで、1年後に2冊に減らしました。そして、今年から月1冊にさらに減らしました。林雄介の本が入っているのは、「読者の読書会なので私の本は持っているから、いれたのですが」。まず、古典、歴史、実学を学ぶに当たり、原典主義。よくわかる論語とか5分でわかる老子を読んでも無意味でしょうと。

新興宗教でも自己啓発でも儒教、仏教、キリスト教が元ネタにあるので、「カルト」等に引っかからないように「元ネタ」を読みましょうという趣旨でもありました。私自身が、中学生かな?安岡正篤(東大教授、平成の名付け親、晩年、細木数子と結婚)さんの陽明学の本を買って、大塩平八郎さんや中江藤樹さんこういった方々が学んでいましたから、最初は「心学」に興味があったんですが、王陽明伝習録なんかを中高時代に読んでいたんですね。しかし、伝習録は、「孔子」と「孟子」の解説書なんです。

ですから、「論語」と「孟子」を読んでいない人間が読んでも理解できないんです。中高生ですから、最初に陽明学をやろうとしたんです。で、理解なんかできないですよ。儒教の基本がわかっていないから、大学に入ってから四書五経を読んで、それから伝習録を読んで理解できたわけです。そういう反省も踏まえて、順番にやりましょうと。また、五経は長すぎるので、詩経易経、春秋左氏伝だけにしましょうと。

もう1つは、電子ブックがありますが、基本は文庫本を持ち歩いて、電車の待ち時間や昼休みに5分単位で読み進めていく練習をしましょうと。ですから、辞書みたいな分厚い本は避けましょうと。そうすると、文庫本がある古典しかできないんですね。あとは、老荘の「列子」が一番面白いと思うんですが、絶版なんです。大型本はあるけど、岩波文庫はない。そうすると基本は岩波文庫なんです。中公でも講談社学術文庫でもいいんですが、「高いんですよ。」1千円を越える本を買わせたくないというのもあるんです。岩波文庫はだいたいは、図書館においてあります。取り寄せで他の図書館から借りることもできます。入手しやすさ、値段の安さで岩波なんです。

最近、調子こいて「岩波文庫が文字を大きくして、値上げしまくっていますけどね・・・」 さて、何を読めばいいんですか?ですが、基本は「大学・論語孟子・中庸」です。大学→論語孟子→中庸の順番に読みます。そして、「孟子」を重視します。孟子は衣食住を改善し、「それから学問の振興」を行うように繰り返し主張しています。これは、私の政策とも一致します。

また、渋沢栄一ワタミブラック企業)は、「論語」を重視しています。なぜか?、孟子は「具体的な国民の衣食住を改善し、それから学問をやれ」といっているので、ブラック企業の経営をできなくするんですよ。この延長にあるのが陽明学であり、吉田松陰大塩平八郎です。「孟子」を尊重し、陽明学をやると「貧民救済の反乱」を起こされるので、官学は朱子学なんです。

朱子学で言っているのは、「学問をして聖人になれ」です。福沢諭吉と大差ないですから。 しかし、陽明学は、あまりにも理想的過ぎ社会性がなくなります。ですから、「近思録」と「伝習録」、これは、中公クラシックスにありますが、朱子学陽明学両方を学ぶ。しかし、基本は「孟子を中心とした「大学・論語孟子・中庸」です。 

次に、老荘思想。これは、「老子」は日本語を読めばいいです。正しい翻訳は、人間にはできません。私でも8割ぐらいしかわかりませんから。大丈夫です。あとは、入手可能なら「列子」、最後に「荘子」4冊岩波は4冊、他は知りません。儒教ベースで、老荘3割。  菜根譚、抱朴子、菜根譚は有名ですが、抱朴子は高いんですが、図書館で借りて読む。個人的には、列子菜根譚、抱朴子の3冊が好きなんですが、「はまると仙人化」しますから、実学も重視してください。私も、仙人をやっていたいんですけどね・・・。 

策略は、「孫子」と「呉子」、「君主論」。何年か前に「三略」と「六韜」の兵法書を1日1冊読んでいたんですが、3日目、ですから3読目かな?、毎日、読んでいたら、孫子は高校時代から何十回も読んでいたんですが、「三略六韜」は兵法の基本なんですが、「腹がたってね。これ、翻訳者か本そのものが邪気がきついからあまり読者に勧めないほうがいいなあ」と思ってだから、私の本では「孫子」と「呉子」しかすすめないんですが、「孫子」は気がいいんですが、あとは武芸七書も読みましたが、薦められないです。1読以上しない方がいいでしょうね。

自己啓発的なものだと、「学問のすすめ」、スマイルズの「向上心」(三笠文庫)、スマイルズの自助論はそんなに面白くないんですよ、要するに「勉強して自分で食べていけ」といっているだけですから。カーネギーは「道は開ける」と「人を動かす」を重点的に何回か読めばいいです。余裕があれば、「カーネギーの話し方教室」。

セラピーはね、クラズナーの「ヒプノセラピー」とロジャー・キャラハンの「思考場療法」。この2冊は鉄板です。催眠療法や自己暗示のマニュアルもいろいろありますが、TFTが一番、使える。で、クラズナー・メソッドは「自己啓発」や「カルト」、「マルチ商法」なんかの暗示のテクニックの基礎なんです。クラズナーメソッドではないんですが、「催眠療法」の基礎を押さえておくと「暗示にかかりにくくなるんですね。」フランクリン自伝も「長い。」本題に入る前に延々、フランクリンの先祖の話を聞かされて、うざいです。

もう1つは、最後のローマ五賢帝マルクス・アウレーリウスの「自省録」これは、短文の菜根譚のような本です。中村天風の「運命を拓く」これも高校時代に読みましたが、一読の価値があります。2回も、3回も読む必要はないですけどね。 禅は、「臨済録」、「碧眼録」。勝海舟の氷川清話。マキャベリの「君主論」。「戦争論」。ローマ帝国興亡史は長すぎます。で、PHPとかのよくわかる系読まない方がいいですよ。著者が、中身を理解できていないから。本は、原典を読むべきです。論語もエッセンスだけかけば「誠の実践、仁愛」ですよ。しかし、私の文章に私の言霊、正確には文字魂ですが、著者の息吹が入っていますから、要約本は要約した著者の次元にレベルダウンしますから、原典で論語孟子も読むべきです。

孫子の要約できる人間なんか、孔明とか謙信とか歴史上、20人もいないですよ。原典を読むべきです。読み物としては、韓非子なんかも面白いんですが、「性悪説」で厳罰主義なんで、どうなんでしょうね。聖書は、新約より旧約聖書を読むべきです。長いけど。  

袁了凡の「陰しつ録」、いいことをしたら幸せになるという道徳本というんですが、これが中国で明だったかな?ブームになりまして、その1冊なんですが、図書館にあったら、代表的な道徳本ですから、読んでください。因縁の話は「仏教にはない。」道教と仏教と儒教がミックスされた道徳本が元ネタですね。あとは、中江藤樹とか。あまりアリストテレスとかキケロとかプラトンの本は、面白いですけど、浅い。実学に近いですね。トマス・アクィナスのスコラ哲学もまあまあ、無理に読む必要ないです。マックス・ウエーバーとかフロイトとかユングとか興味があれば読めば?みたいな。

あとはオルテガとかの大衆論、夜と霧みたいなアウシュビッツでも頑張りました。この手の本も大事ですね。 あとは、小学生や中学生用の伝記シリーズをとにかく、濫読するといい。やはり、スケールが小さくなっちゃうので、映画も大事なんですが、本で伝記を大量にインプットして、すごそうな偉人の本を読めばいいと思うんですね。一番ダメなのはね、「わかった気になるような、哲学入門とか社会学入門の類。原典を読むべきですね。書いた学者が使いこなせていないような本を読んでも無意味ですよ。マルクス・アウレリウス、一応、ローマ皇帝ですからね。

コーランも大事。コーランは1読はした方がいいです。イスラム圏の人間の価値観の根底はコーランですから。

「生き様が最低だった人間の本は読んだらダメ。ブラック・リストをあげると毛沢東、レーニンは絶対に読んだらダメ。資本論は読めたら読んでもいいですけど、毛沢東とレーニンは読まない方がいいです。ヒトラーは、1読するだけならいい。「わが闘争」は2回も3回も読んだら、おかしくなるから、わが闘争を読むなら、セットで杉原千畝アンネの日記シンドラーのリストを読むべきです。

ポルポトとかゲバラも個人的には薦めません。最近の人だとマンデラマザーテレサヨハネ・パウロ2世、ダライ・ラマ14世は気のいいビジネス書。ダライ・ラマも偉人ですけど、ダライ・ラマを読むくらいなら空海最澄の著作集を読んだ方がいいです。沈黙の春とか有名どころは、一読はした方がいいです。2読しなくていいけど。

はやし。