林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

どんな本を読んだらいいですか?という質問。

読書会のテキスト以外に何を読めばいいかという質問は愚問です。

スキルアップや法令条例に、参考図書が何十冊も掲載してあります。あれをそもそも、「全部、図書館で借りて読んだのでしょうか?」

例えば、ワークブック法制執務は、私でも暗記不可能な本です。というか、法制局参事官でも無理。そもそも、憲法民法行政法判例を丸暗記しているの?かと思うのです。

経済学の西村和雄、伊東光晴、あるいは芦部憲法や宮沢、佐藤憲法有斐閣国際法セミナー。それ以前に、「岩波文庫」全巻や岩波新書、中広新書、また、図書館にあるすべての仏教の本、儒教の本を読んだ上での質問なのでしょうか?

大学・論語孟子・中庸、礼記詩経易経、等を通読した上での質問なのでしょうか?
伝習録、近思録等の陽明学朱子学の基本書、臨済録、碧眼録、無門関、不動智神妙録、六祖壇経等の禅の基本書や空海最澄日蓮の著作集を全部読んだ上での質問なのでしょうか?

白隠の著作集を全部読んだ上での質問なのでしょうか?

ガルブレイスドラッガー都留重人ケインズ等の著書を全部、読んだ上での質問なのでしょうか?

老子列子荘子、神仙伝、山東経等の道教の基本書を全部、熟読した上での質問なのでしょうか?

学問というものは、基本があります。
儒教四書五経老荘老子荘子列子陽明学伝習録朱子学の近思録、禅の臨済録、無門関、碧眼録、また、道元正法眼蔵親鸞教行信証日蓮の開目抄等、基本書があります。基本書を幅広く、全部読んだのかな?・・・。

兵法でも、孫子呉子三略六韜の武芸7書ですとか、図書館でも県立図書館しか置いていない本も多いのです。市の図書館や区の図書館だと置いていない本も多い。

優先的に何を読めばいいですか?なら、まだ理解できます。
読書会で、「帝大等の国立大の難易度が高い卒業生」でも、孟子で挫折する人が多いので、スローペースに変えたのです。

大学・論語孟子・中庸と五経だけでもかなりの量があります。五経は、早稲田の図書館で読んだのです。持ち運べる五経なんかないんですよ・・・。礼記とか長いから・・・。易経とか詩経みたいな短いのは文庫でありますよ。四書を熟読されたのなら、五経をお読みになったらいかがですか?としか・・・。

カーネギーなら、カーネギーの本全部。
ドラッカーなら、全集全部。
しかし、これは、大学生の読むべき本であって、社会人は自分の仕事に関わる本を読むべきです。図書館にあるビジネス書や法律書を全部読むべきです。というか「図書館にある本を全部」読むべきです。と回答されるに決まっています。

文学であれば、明治から昭和の有名作家の本、全部。図書館の世界文学全集全部と回答されるに決まっています。ムツゴロウさんやあの世代の本には、「岩波文庫全巻読破」は「常識」と書いてありますよ。小学校の時にムツゴロウの本を読んで、ああ、「岩波文庫は全巻読むものなんだな」と、抜けているものもありますが、「マヌ法典」とか「ヒンズー教の経典」とか変な本が岩波文庫にありますよ。一応、全部、大まかには大学時代に読みましたよ。30冊ずつ借りてくるから。1日、2、3冊は読めますから。今は無理ですけど・・・。

作家に何を読むべきですか?と聞いたら、普通の作家なら、図書館の本全部とか、文学全集全部とか、「ブリタニカ百科事典全部」とか言いますよ、本人が、読んでるから。

ブリタニカ百科辞典全巻読破というのは、竹内均東大教授や吉川栄治、吉川さんは国民百科事典全巻、(持ってますけどね)。とか、無茶なことをいいますよ。国民は家にあるから3分の1しか読んでない。ブリタニカは図書館に通って、大まかには全巻読みましたよ。昔は、毎年、知恵蔵やイミダス現代用語の基礎知識を全部、読んでいましたよ。自分がゴーストで原稿を書いてから、読むのをやめましたが・・・。

大量に読んでいたら、自分で優先順位をつけられるはずです。

何を読むべきですか?という質問が出るのはおかしい。読むのが無理というから月3冊を2冊に、2冊を1冊に減らしたのです。

初回の参加者かな・・・。

「記事検索で、2013年の「林雄介と一緒に勉強しませんか?」にのせたリストが、優先順位が高い本です。」

はやし。