林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

林雄介、今日の一言(志)

これから総理大臣になるかもしれない方の文章を拝読しました。
明治維新には志がある人々が集まったと書いてありましたが、具体的には儒教の大学、孟子こういうバックボーンがあります。吉田松陰松下村塾は1、2年、イエス・キリストの布教も3年。
そんなに長生きしていないし教えてもいない。大学という本は儒教の入門書なんです。儒教の初歩を松下村塾で少し教えただけです。何を明治維新の英傑はまなんだのか?これは吉田松陰の生き様です。吉田松陰はアメリカに密入国しようとして牢屋に入れられる。そこで孟子の講義をする。20代でアメリカ密入国に失敗して、牢屋に入れられて、松下村塾、これはおじさんの塾なんですがそこで儒教の初歩を教えて、すぐに打ち首。
本人が教えた知識なんか大学の初歩です。しかし、日本が鎖国していた時期にアメリカに密入国しようとして、日本を変えなきゃいかん。こういう、命懸け(幕府批判以前に密入国は死刑)の生き様が明治維新の志士達の生き様に反映された。言葉は悪いですが、吉田松陰本人は何も成功していない。吉田松陰が失敗したから、弟子が頑張った。
比叡山高野山を比べたら、空海の方が叩き上げで苦労
した分、社会的な軋轢がない。当時の南都六宗の高僧はたくさん空海の弟子になっています。既存の勢力と上手くお付き合いができた。一方、最澄南都六宗、全部を敵に戦う。戦って、比叡山で僧侶、戒壇というんですが、当時の僧侶は国家が認定する。この戒壇比叡山最澄は作りたかったんですが、最澄が死んで7日目に空海の働きかけがあったといわれていますが朝廷の許可が降りた。最澄も成功していない。師匠が成功しなかったから、お弟子が頑張って日蓮親鸞法然道元栄西、鎌倉仏教の開祖は全部、比叡山からでています。
最澄というのは最も澄み切っている。大義のために、既存仏教と戦って、僧侶育成の戒壇の設立が念願だったんですが、生きているときに叶わなかった。吉田松陰も同じです。