林雄介のブログ!(はてな)

作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

エジプトの民主化デモ。〔政治のこと〕o(^▽^)o

こんばんは。全国的に天気が大荒れですが、皆さん、大丈夫ですか?
林雄介です。いつもご訪問ありがとうございます。今日もお疲れ様でした。
o(^▽^)o


エジプトで民主化デモが成功して、国民が乗って喜んでいますが、なんか日本で民主党政権ができたときに似ています。
まず、独裁は個人ではできません。組織でやるものです。大統領というのは、象徴に過ぎません。

エジプトでは、貧富の格差が激しい。だから、民主化を望んだ。しかし、民主化されたら、もっと貧富の格差が進みますよ。

格差社会なんでしょう?今、お金を持っている人間が、保身のためにお金をバラまきますよ。

格差をなくすなら、財産税をかけて国民全体を豊かにする必要があります。
日本では、明治維新と敗戦後、一回、社会をフラットにしました。

いつも書いていることですが、格差社会をなくすには、大前提として能力差がない必要があります。能力差があるのに、一律賃金にすれば、能力が高い人間が働かなくなり社会全体の生産性が落ちます。同一労働同一賃金でも、「決まった仕事はするけれど、プラスアルファの仕事はしなくなる。」という現象が起きるでしょう。
社会全体で見れば、同一労働同一賃金は、生産性が低下するはずです。

共産主義社会主義が、絶対に実現不可能なのは人間には能力差があり、勤労意欲も異なるからです。
私が機会平等と緩やかな結果平等と、必ず「緩やかな」を入れるのは差をつけなかったら働かない、生産性が低い人間が絶対に出てくるからです。
格差があってもいいけれど、回復不可能な格差にするなと言っているのです。

エジプトは、識字率も低い。識字率が低いということは文字を読めない方がいるということです。


この状態で、格差がない社会を作るのは難しいと思う。

皆さん、ご存知のように江戸時代、日本には寺子屋があり識字率が高かった。だから、明治維新以降の急速な近代化が可能だった。

エジプトで格差をなくすには、教育格差をなくして、そこから中流社会を作るしかない。
しかし、貧困はいまの問題です。そうすると、教育をするのに10年かかるとする。しかし、エジプトの人は、今すぐ格差のない社会ができると思っている。

日本の民主党政権と同じように、1年後に不満がでてくるでしょう。で、新しい統治者はデモを鎮圧すると思う。前大統領が、自分が退陣したらイスラム原理主義が蔓延るだけと言ったらしい。
イスラム原理主義って、中東の共産主義みたいなものです。
前大統領の読みは当たるでしょう。
強力な統治者がいなくなったら内戦がはじまったり、部族間抗争がはじまる。


林雄介with,you。

今日もお疲れ様でした。



「図解雑学・よくわかる政治のしくみ」、「図解雑学・よくわかる省庁のしくみ」(ナツメ社)、「絶対スキルアップする公務員の勉強法」、「絶対わかる法令・条例実務入門」、「公務員の教科書〔算数・数学編〕」、「ニッポンの農業」〔ぎょうせい〕、「霞ヶ関の掟・官僚の舞台裏」(日本文芸社)、「この通りにすれば受験にうかる」(たちばな出版)