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作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

46、政府専用機や総理のSPは税金の無駄遣い?(2012年衆議院選挙・解説:林雄介)

 

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46、政府専用機や総理のSPは税金の無駄遣い?(2012年衆議院選挙・解説:林雄介)

 日本国政府は、総理等が外遊する時に利用する政府専用機(ジャンボジェット)を持っています。首相は首相公邸に住むことが出来ます。総理大臣の専用車もあり、パトカーが先導します。

 はたして、これらのVIP待遇は税金の無駄遣いなのでしょうか?

まず、総理大臣や政治家にSPをつけてあるのは、大事な人だからではありません。日本は、法治国家といって、法律をルールにして動いています。オーム真理教事件の時に国松警察庁長官が狙撃されましたが、国のトップが襲撃されると治安が悪くなりますから、「狙われそうな人」にSPをつけているのです。総理に、SUICAを持たせて山手線や地下鉄で移動させても構わないと思います。ただ、高い確率で総理大臣を狙ったテロが起こる可能性があります。公共交通機関で移動させても構いませんが、そうすると、皆さん民間人が巻き添えをくらう可能性があります。

政府専用機も、民間機で総理や外務大臣が移動すると、ハイジャックされたり、自爆テロの対象になったら、他のお客さんが迷惑します。ですから、国民のために、VIP待遇にしてあるのです。SPは警視庁の警察官です。SPは、基本的には「偉い人」につけるのではなく、「狙われている人」に優先的につけます。ですから、敵がいなさそうな元総理はSPをつけません。日本新党時代に新党が乱立して、党首と元総理が増加しSPが足らなくなった時に、最初に、敵がいない海部俊樹元総理からSPをはずしたそうです。

逆に、SPが多いということは、「客観的に、敵が多そうな人」には警備を厳重にしてあります。SPは、「偉いかどうか」ではなく、「狙われていそうか、どうか?」が基準です。

 

46、アメリカ大統領の仕事(2012年衆議院選挙・解説:林雄介)

 アメリカ大統領は、法案を国会に提出することが出来ません。アメリカは三権分立が徹底しているため、議会が法律を作り、法案は国会議員しか提出できません。大統領が法案作成を希望する場合は、「大統領教書」で法案作成を議会に要求します。

 また、国家元首として軍隊の最高司令官となっています。(宣戦布告は議会が行います)。核兵器の使用命令は大統領しか行えません。予算は、法案と同じ扱いで法律の執行に必要な予算は、別々に議決します。日本は、予算として、一括して議決しますが、アメリカでは、一括で決められた予算というものはありません。アメリカ大統領には、生まれた時点でアメリカ国籍を持っている必要があるため帰化した移民は議員にはなれますが、大統領にはなれません。

 

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