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作家の林雄介。元農林水産省のキャリア官僚。政治評論家。

47、予算の話!(2012年衆議院選挙・解説:林雄介)

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47、予算の話!(2012年衆議院選挙・解説:林雄介)

日本の予算は、近年は100兆円規模です。税収は45兆円程度なので、半分は国債発行による借金です。

 予算は、春頃から各省庁で必要なお金をまとめます。そして、財務省主計局との話し合いを経て、年末に財務省が予算原案を作成します。この予算原案を閣議決定したものが、内閣が国会に提出する予算案です。

 国会で議決されれば、予算は成立します。予算は、衆議院の優越が認められているため、参議院で否決されても衆議院で可決されていれば、予算は成立します。ただし、赤字国債は毎年、特例公債を発行する法律を可決して発行しています。赤字国債は、国の予算について決めた財政法で、禁止されています。そこで、財政法の特例で赤字国債を発行する法律を制定して赤字国債を発行します。赤字国債発行のための法律は、予算と違い衆議院の優越がありません。そこで、衆議院参議院でねじれ国会になっている場合には、参議院で否決することが出来ます。今回の衆議院選挙のきっかけはこの赤字国債発行のための法律をめぐり、参議院で成立を協力するかわりに衆議院の解散に踏み切りました。

 

48、官僚言葉入門、「近い将来」の意味!(2012年衆議院選挙・解説:林雄介)

 官僚の中では、国会答弁や法律に使う用語があります。例えば、時間は「直ちに」、「速やかに」、「遅滞なく」の3段階で表します。「直ちには、すぐ」という意味です。

 「速やかに」は、できるだけ早くという意味です。

「遅滞なく」は理由があれば、遅れてもいいという意味です。

今回、野田総理大臣が、「近い将来、国民の信を問う」という言い回しを使いました。この表現は、官僚用語にはありません。これは、官僚出身議員が、「官僚用語にない時間の表し方」を考えて、「近い将来」という表現をしたのだと思います。

あえて、新しい表現を使ったのは、「直ちに」はすぐ、「速やかに」はだいたい何ヶ月以内、「遅滞なく」はかなり遅れる可能性があるのように、前例がある表現は、「解散時期を予想できるため」、「1ヵ月後でも、翌日でも、1年後でも」、使える「曖昧な表現」を考えたのでしょう。

 

林雄介with,you。

 

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